1万5000円の少額投資はどう選ぶ?5つの投資先を4年間比較

「投資を始めたいけれど、まとまったお金がない」「1万5,000円で何を買えばいいのかわからない」と悩んでいませんか。
少額投資で大切なのは、最も値上がりしそうな商品を当てることだけではありません。必要な知識や管理の手間、値下がりへの耐性、収入の得方なども含め、自分に合う投資先を考える必要があります。
この記事では、ななみが個別株、REIT、暗号資産、金、インデックスファンドへそれぞれ1万5,000円を投じ、4年間保有した結果を比較します。ただし、紹介する数字は個人の過去の経験であり、将来の運用成果を示すものではありません。
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1万5000円の少額投資で比べた5つの選択肢¶
今回比較したのは、次の5つです。
- 個別株
- REIT(不動産投資信託)
- 暗号資産
- 金
- インデックスファンド
それぞれに同じ1万5,000円を投じ、以下の観点から比較しました。
- 始めるまでに必要な知識
- 管理にかかる手間
- 配当や分配金などの収入
- 税金や口座の違い
- 値下がりや資産を失うリスク
- 4年後の評価額と利益
投資結果だけを見れば、大きく増えた資産が魅力的に感じられるでしょう。しかし、価格が激しく動くたびに不安になり、生活に影響が出るようなら、自分にとって適した投資とは限りません。
投資先を比較するときは、「いくら増えたか」と同時に、「どのようなリスクを負った結果なのか」も確認することが重要です。
5つの投資先の4年間の結果¶
ななみが実際に1万5,000円ずつ投じた結果は、次のとおりです。
| 投資先 | 4年後の価値・受取額 | 最終的な結果 | 収益率・損失率 |
|---|---|---|---|
| 個別株(サムスン電子) | 株価約1万150円、配当金15円 | 約1万165円 | -32.34% |
| REIT | 評価額約1万4,790円、分配金約1,790円 | 利益約1,580円 | +10.52% |
| 暗号資産(ビットコイン) | 約9万7,840円 | 利益約8万2,840円 | +552.24% |
| 金ETF | 2万1,015円 | 利益6,015円 | +40.1% |
| インデックスファンド | 約2万6,940円 | 利益約1万1,940円 | +79.57% |
最も増えたのはビットコインでしたが、これだけで暗号資産が最良だとは判断できません。価値がほぼなくなった暗号資産もあり、生き残ったものだけに注目してしまう偏りがあるためです。
また、投資を始めた時期や選んだ銘柄によって結果は変わります。今回の比較は、同じ金額で投資した一つの実例として捉える必要があります。
個別株は企業を選ぶ知識と戦略が必要¶
個別株への投資は、特定の会社の一部を持つことです。会社の成長や商品、経営に期待し、自分のお金を直接託すため、投資している実感を得やすい方法といえます。
一方、難易度は高めです。銘柄を選ぶ際には、少なくとも次のような点を調べる必要があります。
- 会社がどのように利益を出しているか
- 財務状態に問題がないか
- 経営者を信頼できるか
- 競合他社と比べてどのような強みがあるか
利益を得る方法は、値上がりした株を売却する方法と、会社から配当金を受け取る方法の主に2つです。ただし、すべての会社が配当を出すわけではありません。
今回、ななみは候補となる20銘柄から、分析をせず偶然でサムスン電子を選びました。1万5,000円は、4年後に株価約1万150円、配当金を含めて約1万165円となり、損失率は32.34%でした。
一方、同じ時期にアップルを選んでいれば約2万5,500円、マイクロソフトなら約2万8,200円、エヌビディアなら約13万6,200円になっていました。同じ個別株でも、会社によって結果が大きく異なります。
ただし、値上がりした銘柄を後から見つけるのは簡単です。4年前の時点で将来を確信できたかは別問題であり、偶然に任せた銘柄選びは賭けに近くなります。
初心者は、実際のお金を入れる前に株価シミュレーションを利用し、価格が2割、3割と下がったときに冷静でいられるかを確認する方法もあります。
REITは不動産の分配金を少額から受け取れる¶
REITは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビル、商業施設、ホテル、住宅などを保有し、賃料収入などを投資家へ分配する仕組みです。
実物の不動産を購入する場合とは異なり、多額の住宅ローンや建物管理、入居者とのやり取りを原則として自分で担う必要はありません。そのため、少額から不動産へ投資する選択肢になります。
ただし、REITによって保有する不動産の種類は異なります。オフィス、商業施設、ホテル、住宅では、景気や社会の変化から受ける影響も同じではありません。
今回購入したオフィス系REITは、感染症の拡大による働き方の変化から影響を受けました。4年後の評価額は約1万4,790円で、元本部分は1.41%のマイナスです。
一方、4年間で約1,790円の分配金を受け取ったため、値下がり分を差し引いた最終利益は約1,580円、収益率は10.52%となりました。
REITは、価格だけを見れば下がっていても、分配金を含めると結果が変わる場合があります。ただし、空室の増加や賃料の低下によって、価格と分配金の両方が下がる可能性には注意が必要です。
暗号資産は大きな利益と高いリスクが隣り合わせ¶
暗号資産の多くは、取引記録を多くの参加者で共有するブロックチェーンという仕組みの上で動いています。代表的なものがビットコインやイーサリアムです。
購入自体はそれほど複雑ではありませんが、仕組みや保管方法を理解する必要があります。特に重要なのは、次の点です。
- なぜ価値があると考えられているのか
- 発行量がどのように決まるのか
- 誰が利用するのか
- どの交換業者を利用するのか
- 秘密鍵やパスワードをどう管理するのか
ビットコインの発行上限は2,100万枚で、数に限りがあることから「デジタルゴールド」と呼ばれることがあります。
今回、ビットコインへ投じた1万5,000円は、4年後に約9万7,840円になりました。利益は約8万2,840円、収益率は552.24%で、5つの中では最も大きな結果です。
しかし、暗号資産は短期間で価値が5分の1、7分の1になることもあります。秘密鍵を失って資産を取り戻せなくなったり、預け先の破綻や不正アクセスによって損失を被ったりする危険もあります。
大きく増えた実例だけを見て、生活資金まで投じるのは適切とはいえません。始める場合は、仕組みを学び、急落しても暮らしが壊れない範囲に抑えるという考え方が欠かせません。
金は収入よりも価値の保全を重視する資産¶
金は、物価上昇や経済・社会が不安定な場面で、資産の避難先として選ばれてきました。大きな利益を生むことよりも、価値を保管する役割が意識される資産です。
購入方法には、金地金や投資用金貨などの現物と、金価格に連動するETFなどがあります。ななみは、保管場所を用意する必要がなく、オンラインで売買できる金ETFを選びました。
金には株式の配当や不動産の家賃がありません。利益を得られるのは、基本的に購入時より価格が上がった後に売却した場合です。
1万5,000円で購入した金ETFは、4年後に2万1,015円となりました。利益は6,015円、収益率は40.1%です。
一方、金を保有している間に株式や不動産がより大きく上昇すれば、その利益を得られなかったという機会損失が生じます。現物を選ぶ場合は、盗難や紛失を防ぐ保管方法についても考える必要があります。
インデックスファンドは分散と手間の少なさが特徴¶
インデックスファンドは、一社だけではなく、多くの会社をまとめて保有する投資方法です。
例えば、S&P500に連動するインデックスファンドなら、アップル、マイクロソフト、アマゾンなどを含む、米国の代表的な約500社へまとめて投資できます。
個別企業を毎日分析したり、次にどの会社を売買するか繰り返し判断したりする必要が少ない点が特徴です。購入後は、長く保有して市場全体の成長を待つことが基本になります。
今回、S&P500に連動するインデックスファンドへ投じた1万5,000円は、4年後に約2万6,940円となりました。利益は約1万1,940円、収益率は79.57%です。
ビットコインには届かなかったものの、ななみは4年間ほとんど悩まずに保有できました。運用結果だけでなく、判断や管理に時間を取られなかったことも、本人がインデックスファンドを好む理由です。
もちろん元本保証ではありません。市場全体が下がれば、インデックスファンドも値下がりします。ただし、一社の株に集中するよりも、一社の倒産による影響を抑えやすい仕組みです。
少額投資の選び方は「目的」と「続けやすさ」で考える¶
5つの投資先には、それぞれ異なる役割があります。
| 重視したいこと | 検討できる投資先 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 特定企業の成長に投資したい | 個別株 | 企業分析が必要で、一社への集中リスクがある |
| 定期的な分配金を重視したい | REIT | 不動産市場や空室、賃料低下の影響を受ける |
| 大きな値上がりの可能性を求める | 暗号資産 | 値動きや保管上のリスクが非常に高い |
| 資産価値の保全を重視したい | 金 | 保有中の配当や家賃収入がない |
| 手間を抑えて幅広く分散したい | インデックスファンド | 市場全体の下落時には値下がりする |
最も増えたものを選ぶのではなく、次の質問を自分にしてみましょう。
- 価格が大きく下がっても生活に影響しない金額か
- 値下がりしたときも冷静に保有できるか
- 企業や商品の分析にどの程度の時間を使えるか
- 値上がり益と定期収入のどちらを重視するか
- 投資の仕組みと損失の可能性を説明できるか
利益が大きくても、価格が気になって眠れない投資は長く続けにくいものです。金額だけでなく、自分の性格や暮らしとの相性も判断材料になります。
少ないお金ほど一つに絞るべき?¶
投資できる金額が少ないと、「一つに集中したほうが早く増えるのでは」と考えるかもしれません。しかし、一つの会社や資産だけに集中すれば、それが下がったときの影響も大きくなります。
今回の結果では、個別株が下がる一方、ビットコインとインデックスファンドが大きく上昇しました。REITは分配金を生み、金も値上がりしています。
一つがうまくいかなかったとき、別の資産が補う可能性を持たせることが分散投資の役割です。
ただし、必ず5種類すべてを持つ必要はありません。理解できない商品を数だけ増やしても、適切な分散になるとは限らないからです。まずは自分が仕組みを理解できるものを選び、値動きや役割の異なる資産をどう組み合わせるか考えましょう。
NISAや税金は購入前に確認する¶
投資では、同じ利益が出ても、利用する口座や商品の種類によって手元に残る金額が変わる場合があります。
原稿で紹介された時点では、NISA口座で対象となる株式、REIT、金ETF、インデックスファンドを保有できれば、売却益や配当、分配金を非課税にできると説明されています。一方、課税口座の株式やREITでは、売却益や配当などに原則として約20.315%の税金がかかります。
暗号資産の利益は原則として雑所得に分類され、現金への換金だけでなく、別の暗号資産との交換も課税対象になり得ます。株式のようにNISA口座で非課税にはできないため、取引記録を残すことが重要です。
税制や利用できる制度、対象商品は個人の状況や時期によって異なる可能性があります。実際に購入・売却する前に、最新情報と自分に適用される条件を確認してください。
少額投資は無理なく経験を積む一歩になる¶
1万5,000円は、すぐに生活を大きく変える金額ではないかもしれません。しかし、少額でも実際に投資を始めると、値上がりや値下がりに対する自分の反応を知ることができます。
利益を再投資しながら長く運用すれば、利益が次の利益につながる複利も期待できます。ただし、複利は利益を保証する仕組みではなく、値下がりすれば資産が減る点は変わりません。
大切なのは、生活費を圧迫してまで始めることではありません。無理のない金額を設定し、経験と知識を少しずつ積み重ねることです。
1万5000円の少額投資に関するFAQ¶
1万5000円でも投資を始められますか?
商品や購入方法によっては、1万5,000円でも投資を始められます。今回も、個別株、REIT、暗号資産、金ETF、インデックスファンドへそれぞれ1万5,000円を投じています。ただし、購入できる商品や最低金額は利用するサービスによって異なります。
初心者は個別株とインデックスファンドのどちらがいいですか?
個別株は企業分析が必要で、選ぶ会社によって結果が大きく変わります。インデックスファンドは複数の会社へまとめて投資でき、管理の手間を抑えやすい方法です。どちらが適しているかは、分析に使える時間や許容できるリスクによって異なります。
一番増えた暗号資産を選べばよいのでしょうか?
今回最も増えたのはビットコインですが、同じ結果が今後も続くとは限りません。暗号資産には激しい値動きや紛失、不正アクセス、預け先の破綻などのリスクがあります。過去の利益だけで判断せず、生活に影響しない範囲で考える必要があります。
少額でも分散投資をする意味はありますか?
一つの資産が下がったときに、別の資産が補う可能性を持たせる点に意味があります。ただし、無理に多くの商品を持つ必要はありません。仕組みを理解でき、役割や値動きが異なる投資先を検討することが大切です。
投資を始める前に何を確認すればよいですか?
損失が出ても生活に支障がない金額か、商品の仕組みを理解しているか、どの程度の値下がりに耐えられるかを確認しましょう。口座、手数料、税金、資産の保管方法についても購入前の確認が必要です。
まとめ¶
1万5,000円の少額投資でも、投資先によって4年後の結果は大きく異なりました。しかし、今回の比較から考えたいのは、単純な収益率の順位だけではありません。
- 個別株は大きく伸びる可能性がある一方、企業選びと分析が必要
- REITは分配金を得られるが、不動産市場の影響を受ける
- 暗号資産は値上がりの可能性と非常に高いリスクが隣り合わせ
- 金は価値の保全に役立つ場合があるが、保有中の収入は生まない
- インデックスファンドは幅広い分散と管理のしやすさが特徴
- 一つに集中せず、異なる役割の資産を組み合わせる考え方もある
- 利益だけでなく、値下がりへの耐性や続けやすさで判断する
過去に最も増えた資産が、これからも最良の選択になるとは限りません。自分が理解できる範囲で、生活を壊さない金額から経験を積むことが、長く投資と付き合うための現実的な一歩です。
今回の内容をより詳しく知りたい方は、「ファイナンスおばさん・ななみ」 のポッドキャストもあわせてお聴きください。
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ご注意
本記事は情報提供・エンターテインメントを目的としたものであり、投資・金融 アドバイスを行うものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任 において行ってください。



