SNSでお金持ちに見える人は本当に裕福?比較で苦しまない家計の考え方

はじめに¶
SNSを開くと、高級ホテルで過ごす友人、新車を受け取った知人、新築マンションの内装を紹介する人が目に入ります。その一方で、自分は銀行残高を確認しながら、明日の買い物を迷っている。「どうしてみんなにはお金があるのだろう」「自分だけが遅れているのでは」と不安になることもあるでしょう。この記事では、SNSでお金持ちに見える人の背景を整理し、他人との比較から距離を置いて、自分の家計や資産形成を考える方法を解説します。
ななみがこのテーマをどのような言葉や語り口で伝えているかは、下のYouTube動画でもご覧いただけます。記事とあわせて見ると、SNSに映る豊かさと実際の家計の違いを、より具体的にイメージできるでしょう。
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SNSでお金持ちに見える人の投稿だけでは経済力は分からない¶
SNSに映る華やかな暮らしは、必ずしもその人の経済力をそのまま表しているわけではありません。
写真から分かるのは、「その家や車、旅行、商品を利用している」という事実です。しかし、次のような背景までは見えません。
- 現金で支払ったのか、ローンを組んだのか
- 家族から援助を受けているのか
- 相続した資産があるのか
- 本業以外の収入があるのか
- 何年もかけて貯めたお金を使ったのか
- 支払いのために別の生活費を削っているのか
- クレジットカードの支払いを先送りしているのか
自分の家計については、収入、支出、借金、不安まで詳しく知っています。一方、他人について見えるのは、きれいに切り取られた結果だけです。
条件がまったく異なる状態で比較すれば、自分が不利に見えるのは当然です。
高級な家があっても、自由に使えるお金が多いとは限らない¶
都市部の新築マンションは、眺望や共用施設なども含めて、成功の象徴のように見えることがあります。しかし、高額な住宅の多くは、住宅ローンによって購入されています。
たとえば、首都圏のファミリー向けマンションには、物件によって七千万円、八千万円という価格のものがあります。十分な頭金を用意するなら、二千万円前後の現金が必要になるケースもあります。
最初からそれだけの現金を持っていなければ、頭金を少なくして、五千万円や六千万円を住宅ローンで借りることになります。変動金利で年〇・五%前後から一%程度の商品を利用できたとしても、借入額が大きければ返済負担は軽くありません。
三十五年返済でも、元利返済だけで月十五万円から十八万円ほど。さらに、次の費用も必要です。
- 管理費
- 修繕積立金
- 駐車場代
- 固定資産税に備えるお金
これらを合計すると、住まいに月二十万円以上かかることもあります。
夫婦の手取りが月五十万円なら、住居費だけで四割です。住居費を収入の三割以内にするという考え方もありますが、それを超えると、立派な家に住んでいても日々の家計には余裕がない可能性があります。
家を持っていることと、現金や預金を十分に持っていることは別です。資産の多くが自宅の評価額なら、病気や失業などの際に、そのまま生活費として使えるわけでもありません。
大切なのは資産の総額だけでなく、必要なときに動かせるお金がどれくらいあるかです。
新車に乗っていることも、資産の多さを意味しない¶
車は、外から成功を判断しやすい持ち物です。しかし、新しい車や高級車に乗っていることだけでは、その人の資産状況は分かりません。
四百万円から五百万円ほどのクロスオーバーやSUVを購入し、そのうち三百二十万円を借りて、五年や七年のローンを組むケースを考えてみましょう。自動車ローンの金利が年三%から五%程度なら、返済は月五万円から六万円ほどになります。
ただし、車にかかる支出はローンだけではありません。
- ガソリン代
- 駐車場代
- 任意保険
- 自動車税
- 車検代
- 整備費用
都市部では駐車場だけで月数万円かかることもあり、条件によっては、車を所有し続けるために月九万円から十一万円ほど出ていくケースもあります。
住まいに月二十万円以上、車に約十万円を使えば、手取り月五十万円のうち三十万円前後が家と車だけで消えます。ここには、食費、光熱費、子どもにかかる費用、保険料、通信費、サブスクリプションなどは含まれていません。
つまり、新築マンションと新車があっても、家計に十分な余裕があるとは限らないのです。
新しい車は、「お金が入ってきた証拠」ではなく、「購入のためにお金を使った証拠」と見ることもできます。
実家暮らしや家族の援助という「見えない収入」¶
同じ給料でも、住んでいる環境によって自由に使えるお金は大きく変わります。
たとえば、月十五万円の収入で実家に暮らし、家賃、光熱費、食費の負担がほとんどない人なら、収入の多くを買い物や旅行に使えるかもしれません。
一方、月三十万円を稼いでいても、一人暮らしなら次の支出を自分で負担します。
- 家賃
- 食費
- 電気・ガス・水道
- 通信費
- 交通費
収入は二倍でも、自由に使えるお金は実家暮らしの人より少ない可能性があります。外からは前者のほうが豊かに見えても、違いを生んでいるのは収入ではなく、生活の固定費かもしれません。
さらに、親が住宅の頭金、車の購入費、保険料、クレジットカードの支払いなどを援助している家庭もあります。
家族から支援を受けること自体は、悪いことではありません。家族で助け合う合理的な選択でもあります。ただし、SNSには車や部屋からの景色は投稿されても、家族からの振り込みは通常映りません。
そのため、同じ年代・同じ収入に見えても、実際のスタート地点や負担条件が異なることがあります。
副業と「時間の圧縮」で生活が豪華に見えることもある¶
SNSに映らない収入源として、副業も考えられます。
本業の給料が月十五万円でも、夜にデザイン、広告運用、ネット販売などに取り組み、月二十万円から三十万円を追加で得ている人もいます。
同僚がよく買い物をしているからといって、家族が裕福とも、借金をしているとも限りません。本業以外の時間に働いている可能性もあります。
また、SNSでは時間が圧縮されて見えます。
たとえば、一月にバイクを買い、三月に海外旅行へ行き、六月にキッチンを新しくした人がいたとします。投稿を続けて見ると、いつもぜいたくしているように感じるでしょう。
しかし実際には、バイクは二年間の貯金と賞与で買い、旅行には三年間貯めたポイントを使い、キッチンは十二回の金利ゼロの分割払いだったのかもしれません。
数か月に一度の特別な出来事が一つの画面に並ぶことで、その人の日常全体が華やかであるかのように見えるのです。
クレジットカードは支払い後の家計まで映さない¶
高級ホテル、ブランド品、レストランでの食事は、クレジットカードを使えば先に手に入れられます。SNSの写真からは、貯めたお金で支払ったのか、支払いを先送りしたのか判断できません。
同じ買い物でも、計画的に貯めたお金で楽しむ場合と、返済の見通しが立たないリボ払いを利用する場合では、その後の家計が異なります。
カードローンやリボ払いには、商品によって年十五%前後の金利がかかるものもあります。外から見える商品や体験が同じでも、家計の中身まで同じとは限りません。
SNSの投稿を見て買い物をしたくなったときは、次のように考えてみましょう。
自分はこの商品が本当に欲しいのか。それとも、その商品を持っている自分を他人に見せたいのか。
生活を本当に良くするための支出と、豊かに見られるためだけの支出は分けて考える必要があります。
投資で成功している人ばかりに見える理由¶
職場やSNSで投資の話を聞いていると、「周りは全員投資で資産を増やしている」「自分だけ取り残されている」と感じることがあります。
しかし、証券口座を持っていてもほとんど使っていない人や、預金・投資信託・株式を十分に持っていない人もいます。
三十歳前後の会社員が家計を管理し、百万円から二百万円を投資に回していることは立派です。一方で、それを何千万円もの運用資産があるように話す人もいるかもしれません。
投資には、「目立つ人だけが見えやすい」という偏りがあります。
- 利益が出た人は話したくなる
- 含み損があっても投資の話を続ける人がいる
- 投資をしていない人は話題に加わらない
- 大きな損失を出した人は黙っていることがある
結果として、周囲の全員が投資で成功しているような錯覚が生まれます。投資の話を聞いたときは、成果だけでなく、投資額、損失、期間など、見えていない条件があることを忘れないようにしましょう。
高収入と資産が多いことは別の話¶
月七十万円から百万円を稼ぐ管理職であっても、毎月ほとんどお金が残らない人はいます。収入が増えるたびに、服、外食、旅行、車、会員制サービスなどの支出も増やせば、月末の残高は増えません。
これが生活水準のインフレです。
月二十万円だった収入が五十万円になれば、生活を楽しみながら貯蓄を増やす選択肢が生まれます。しかし、今度は月百万円を稼ぐ人と比べ始めれば、収入が増えても満足感は高まりません。
収入は「一定期間に入ってくるお金」、資産は「これまでに残してきたお金や保有している財産」です。高収入でも支出が多ければ資産は増えず、目立たない生活でも収入より少なく使い続ければ、資産形成の土台を作れます。
なぜSNSを見ると自分だけ貧しく感じるのか¶
人が周囲と自分を比べることは、自然な反応です。問題は、SNSによって比較対象が大幅に増えたことです。
以前なら、近所の人、親戚、同じ職場の人などが主な比較対象でした。現在は、まったく違う条件で暮らす人の投稿までスマートフォンに流れてきます。
比較している相手は、次のような人かもしれません。
- 自分より十年先を歩いている人
- 最初から大きな資産を持っていた人
- 家族の援助を受けている人
- 本業以外の収入がある人
- 自分とは異なる収入層にいる人
- 長時間労働などの見えない負担を抱えている人
相手のスタート地点も家計の全体像も分からないまま、最も華やかな瞬間と自分の日常を比較しています。これは公正な比較ではありません。
付き合う人によっても、「普通」の基準は変化します。周囲が頻繁に高級店へ行き、ブランド品を買い、海外旅行をしていれば、それが標準的な生活に見えてきます。
客観的には十分な収入があっても、その集団の中では自分だけが貧しいと感じることがあるのです。
他人とのお金の比較から抜け出す5つの考え方¶
1.他人の家計は分からないと受け入れる¶
他人の収入、援助、借金、資産、労働時間、犠牲の全体を知ることはできません。また、知る必要もありません。
写真を見ただけで「この人は自分より裕福だ」と結論を出さないことが、比較から距離を置く第一歩です。
2.自分にとっての成功を決める¶
経済的な成功の形は一つではありません。
- 最初の家を買う
- 働かなくても六か月暮らせる生活防衛資金を作る
- 借金を完済する
- つらい職場を辞められる状態を作る
- 自分のペースで貯蓄や投資を続ける
他人の成功を追いかけ続けると、収入が増えても比較する相手が変わるだけです。自分が何を得たいのかを言葉にしておきましょう。
3.写真映えしない成果を評価する¶
家計にとって重要な成果は、SNSでは目立ちにくいものです。
- カードの残高を完済した
- 生活防衛資金が百万円になった
- 貯蓄目標を達成した
- 使っていないサブスクを解約した
- 予算を壊す買い物を見送った
こうした行動に「いいね」はつかなくても、病気、失業、急な出費から生活を守る力になります。
4.見栄のための固定費を見直す¶
仮に月収が三十万円だとします。
高級マンションの返済に月十五万円を使う代わりに、快適な部屋を月七万円で借りる。新車のローンに月十万円を払う代わりに、すでに支払いを終えた車やバイクを利用する。
この例では、月十八万円の差が生まれます。一年なら二百万円を超え、五年なら一千万円を超えます。ここには運用による利益を含めていません。
そのお金は、住宅の頭金、事業を始める資金、仕事を辞めるための備えなどに使えます。ただし、この選択がすべての人の正解というわけではありません。車や住まいに価値を感じる人もいるため、自分の優先順位に照らして判断することが大切です。
5.一年前の自分と比べる¶
他人ではなく、過去の自分を比較対象にしてみましょう。
- 一年前より貯金は増えたか
- 借金は減ったか
- お金の不安は軽くなったか
- 自分で選べる道は増えたか
- 無理なく続けられる家計になったか
家計の条件が違う他人より、自分自身の変化を確認するほうが、資産形成の進み具合を判断しやすくなります。
SNSを見て不安になったときの家計チェック¶
SNSの投稿を見て衝動的にお金を使いたくなったら、次の点を確認してみてください。
- その支出は生活を本当に良くするものか
- 他人によく見られることだけが目的になっていないか
- 一括で払えるか、返済の見通しがあるか
- 購入後も維持費を負担できるか
- 貯金や生活防衛資金を崩してまで必要か
- 一日置いてから考えても欲しいと思えるか
- 自分の目標より優先する価値があるか
何も楽しまずに節約だけを続ける必要はありません。大切なのは、自分を豊かにする支出と、豊かに見せるだけの支出を区別することです。
よくある質問¶
SNSでお金持ちに見える人は、本当に収入が高いのでしょうか?
高収入の場合もありますが、投稿だけでは判断できません。住宅ローン、車のローン、家族からの援助、副業、相続、分割払いなど、写真に映らない条件があるためです。
収入が高ければ資産も多いと考えてよいですか?
収入と資産は別です。収入が高くても支出や借金が多ければ、お金がほとんど残らない場合があります。資産額だけでなく、負債を差し引いた状態や、自由に動かせる現金・預金も確認する必要があります。
周囲が投資をしていて焦るときはどうすればよいですか?
周囲の成功談だけで判断しないことが大切です。投資額、運用期間、損失、生活費など、見えない条件があります。まず自分の家計や目的を確認し、無理のない範囲で考えましょう。
節約のために楽しみをすべて減らすべきですか?
その必要はありません。自分の生活を良くするための支出と、他人によく見られるためだけの支出を分けて考えましょう。自分が大切にしたい体験にはお金を使い、満足度の低い見栄の支出を見直す考え方があります。
本当の豊かさは何で判断すればよいですか?
高級品の数だけでなく、急な出費に対応できること、請求書への不安が少ないこと、つらい仕事を辞める選択肢があることなども、豊かさの一つです。自分が安心して暮らすために必要な状態を決めることが重要です。
まとめ:他人のハイライトではなく、自分の家計を見る¶
SNSで目にする華やかな生活には、借金、家族からの援助、副業、分割払い、時間の切り取り、見えない犠牲などが混ざっている可能性があります。もちろん、本当に高い収入や十分な資産を持つ人もいますが、投稿だけで家計の全体像を判断することはできません。
覚えておきたいのは、次の点です。
- 高級な家や車があっても、自由に使えるお金が多いとは限らない
- 収入、資産、支出、借金は分けて考える
- 家族の援助や副業など、見えない条件がある
- 投資の成功談は目立ちやすく、損失や不参加は見えにくい
- 自分にとっての成功や豊かさを決める
- 比較するなら、他人の投稿ではなく一年前の自分を見る
お金を増やす基本は、派手ではありません。稼いだ額より少なく使い、残ったお金を貯蓄や投資に回し、高金利の借金を避けながら続けていくことです。投資には損失の可能性がありますが、自分の家計を整えて選択肢を増やすことは、経済的な安心につながります。
ななみがSNSに映る豊かさの裏側や、本当の経済的な安心について実際に語っているYouTube動画も、ぜひご覧ください。文章とは違う語り口で聞くことで、他人との比較から離れ、自分のお金と向き合うヒントをより深く受け取れるはずです。
「ファイナンスおばさん・ななみ」 を購読し、他人と比べずに自分の家計を整えるヒントをこれからもチェックしてみてください。
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ご注意
本記事は情報提供・エンターテインメントを目的としたものであり、投資・金融 アドバイスを行うものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任 において行ってください。



