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投資を始める順番とは?貯金・借金返済から資産形成まで解説

緊急資金から長期投資までの資産形成の順番を示した図

「毎月きちんと働いているのに、お金が残らない」 「貯金は少ないけれど、早く投資を始めたほうがいいのでは?」 「借金返済と投資は、どちらを優先すればよい?」

資産形成を考え始めると、値上がりしそうな株や投資信託に目が向きがちです。しかし、リボ払いやカードローンを抱え、急な出費に対応する現金もない状態では、投資を続けること自体が難しくなります。

投資で大切なのは、銘柄選びだけではありません。お金をどの順番で振り分けるかも重要です。

この記事では、投資を始める前に確認したい家計の土台から、会社の福利厚生、医療への備え、NISAやiDeCo、低コストの長期投資まで、資産形成の順番を整理します。

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投資を始める順番の全体像

番組でお伝えした基本的な流れは、次のとおりです。

  1. 小さな緊急資金をつくる
  2. 高金利の借金を返す
  3. 会社の上乗せ制度や福利厚生を確認する
  4. 医療などの大きなリスクに備える
  5. NISA・iDeCo・企業年金を目的に応じて使う
  6. 低コストの分散投資を続ける
  7. 余裕ができてから、自由度の高い投資を検討する

これは、すべての人に一律で当てはまる絶対的な正解ではありません。収入の安定性、家族構成、借金の金利、勤務先の制度などによって、優先順位は変わります。

ただし、家計の基礎が不安定なまま値動きの大きい投資へ進むと、急な支出が発生した際に、望まないタイミングで資産を売却する可能性があります。家を屋根から建てないのと同じように、資産形成も土台から整えることが大切です。

最初に小さな緊急資金をつくる

投資より先に用意したいのが、突然の出費に対応するための緊急資金です。

車や家電の故障、急な通院、病気による休職、勤務先の人員削減などは、予告なく起こります。使える現金がなければ、カードやローンに頼ったり、相場が下がっているときに投資資産を売ったりすることになりかねません。

緊急資金には、支出を補うだけでなく、慌てて不利な判断をしないための余白をつくる役割があります。

緊急資金はいくら必要?

よく使われる目安は、生活費の3か月分から6か月分です。ただし、必要額は仕事や収入の安定性によって異なります。

毎月の給与が比較的安定し、福利厚生も整っている会社員や公務員なら、まず生活費の3か月分を目標にする考え方があります。

一方、フリーランスや個人事業主など、収入の波が大きい人は、少なくとも6か月分、できれば1年分を検討できます。

ただ、最初から大きな金額だけを見ると、行動できなくなることもあります。番組では、最初の目標として12万円を挙げています。

12万円ができたら生活費の1か月分、その次に3か月分というように、段階的に増やしていきましょう。使っていないものを売る、外食や飲み会を見直す、可能な範囲で収入を増やすなど、方法は人それぞれで構いません。

高金利の借金返済は投資より優先度が高い

小さな緊急資金を用意したら、次に確認したいのが借金です。

住宅ローンのように比較的金利が低い借り入れと、リボ払いや消費者ローンのように金利が高い借り入れは、分けて考える必要があります。

一つの目安として、年率10%を超える借金は返済の優先度が高いと考えられます。日本のリボ払いやカードローンでは年率15%前後、条件によっては消費者ローンで年率18%近くの金利がかかる場合があります。

投資の利益は変動し、損失が出ることもあります。一方、借金の利息は契約に従って発生します。高金利の借金を返すことは、その後に発生するはずだった負担を止めることにつながります。

リボ払い60万円の例

仮に、リボ払いの残高が60万円、金利が年率15%だったとします。

返済条件によって結果は異なりますが、最低額を中心に返済し続けると、元金がなかなか減らず、5年間で利息だけでも36万円近く支払う場合があります。

高金利の借金を抱えたまま投資することは、底に穴が開いたバケツへ水を注ぐようなものです。まずは家計から利息が流れ出る状態を止めることが、資産形成の土台になります。

借金を返す2つの方法

返済を始める前に、すべての借金について残高と金利を書き出しましょう。主な返済方法は次の2つです。

残高が小さい借金から返す

金額の小さい借金から完済する方法です。完済の達成感を得やすく、返済を続ける意欲につなげやすい特徴があります。

金利が高い借金から返す

すべての借金で最低返済額を払い、余ったお金を最も金利が高い借金へ集中させます。支払利息を抑えることを重視するなら、こちらが合理的です。

計算上の効率だけでなく、自分が続けやすい方法かどうかも考えて選びましょう。

会社の福利厚生や上乗せ制度を見落とさない

高金利の借金返済を優先する場合でも、勤務先から受け取れる上乗せがある制度は、先に確認する価値があります。

勤務先によっては、企業年金に関する制度や、奨励金のある従業員持株会などが用意されています。制度の名称、条件、上乗せ額は会社ごとに異なるため、就業規則や制度案内の確認が必要です。

仮に、自分が6,000円を拠出すると会社も6,000円を加え、合計1万2,000円になる制度があるなら、上乗せ分は大きなメリットです。このような場合は、会社の上乗せを受け取れる範囲まで利用し、その後は高金利の借金返済へ戻る考え方があります。

ただし、会社から受け取る株式報酬などには、一定期間勤務しなければ権利が確定しない条件が付くこともあります。退職や転職を考えている人は、次の点を確認してください。

  • 会社からの上乗せ額
  • 自分が拠出すべき金額
  • 権利が確定する時期
  • 退職時の取り扱い
  • 売却や引き出しに関する制約

「福利厚生だから得」と決めつけず、条件を読んだうえで判断することが大切です。

医療への備えは資産を守る盾になる

医療への備えは、お金を増やすためというより、大きな支出から資産を守るためにあります。

日本では、公的医療保険や高額療養費制度に加え、必要に応じた民間の医療保険、自分で用意する医療予備費を組み合わせる考え方があります。

公的制度があっても、差額ベッド代、交通費、仕事を休んだことによる収入減など、埋めにくい負担があります。番組では、一度の病気で60万円ほどのまとまった支出や収入減が生じる可能性にも触れています。

一方で、小さな出費まで何でも保険で賄おうとすると、保険料が家計を圧迫することがあります。考え方の基本は、次のように整理できます。

  • 家計で負担できる小さな支出は現金で備える
  • 自分では抱えにくい大きな損失を公的制度や保険で補う
  • 保険料や給付条件、対象外となる支出を確認する
  • 保障と投資の目的を分けて考える

積立型保険や変額保険では、保険料の一部が保障や契約維持の費用に使われます。途中解約によって、支払額より受取額が少なくなることもあります。必要な保障は保険、将来に向けた資産形成は現金や分散投資というように、役割を分けると判断しやすくなります。

NISAとiDeCoは使う目的が異なる

緊急資金、借金、福利厚生、医療への備えを整えたら、税制面を考えながら長期投資へ進みます。

日本で検討できる代表的な選択肢が、NISAとiDeCoです。

NISAは資金の柔軟性を残しやすい

NISAでは、制度上の範囲内で得た売却益や配当などが非課税になります。必要になれば売却して現金化できるため、老後以外の目的にも使いやすい点が特徴です。

働き始めたばかりで、今後の結婚、引っ越し、住宅購入などに備えたい人は、手元の柔軟性を残す考え方があります。

iDeCoは老後資金を準備する制度

iDeCoの掛け金は所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽くできる可能性があります。一方、原則として60歳まで引き出せません。

所得が高く、所得控除の効果が大きくなりやすい人や、老後資金を明確に分けたい人にとっては検討しやすい制度です。

どちらか一方に決める必要はありません。NISAで自由に使いやすい資産を育て、iDeCoや企業年金で老後資金を準備する方法もあります。制度の条件や税務上の扱いは、自分の状況に合わせて確認してください。

長期投資では手数料と分散を確認する

投資商品を選ぶときは、過去の値上がりだけでなく、次の3点を確認しましょう。

  • 広く分散されているか
  • 自分が仕組みを理解できるか
  • 運用管理費用や売買コストが低いか

選択肢の一つが、NISAを利用して低コストのインデックスファンドへ積み立てる方法です。TOPIXや日経平均株価、全世界株式、米国のS&P500などに連動する商品がありますが、特定の指数や商品がすべての人に適しているわけではありません。

商品によっては年間2%前後、あるいはそれ以上の費用がかかる場合があります。一方、年間の運用管理費用が0.1%前後から0.3%程度の商品もあります。

長期間では、わずかに見える費用の差も積み重なります。契約時の費用、運用中の費用、解約時の負担まで確認することが重要です。

番組では、年間30万円から60万円を低コストの分散投資へ回すことを一つの目標として紹介しました。ただし、これは全員が目指すべき固定額ではありません。収入、生活費、家族構成に合わせ、無理なく継続できる金額へ調整してください。

通常の証券口座や値動きの大きな投資は土台を整えてから

通常の証券口座は、NISAの非課税枠を超えて投資でき、必要なときに売却しやすいという自由度があります。早期退職までの生活資金や、制度上の年齢を待たずに使う資産を準備する手段にもなります。

一方、自由に売買できるからこそ、短期の値動きに振り回される危険もあります。

日本の課税口座では、株式などの売却益や配当に、原則として約20.315%の税金がかかります。売買手数料が無料になる条件があっても、売値と買値の差や商品内部の費用まで、すべてなくなるとは限りません。

頻繁に売買すると、課税やコストが発生する機会も増えます。個別株、値動きの大きな商品、暗号資産などを検討するなら、生活を支えるお金とは分け、自分が許容できる損失の範囲を考える必要があります。

自分に合う資産形成の順番を確認するチェックリスト

投資へお金を回す前に、次の質問を確認してみてください。

  • 急な通院や家電の故障に使える現金があるか
  • リボ払いや消費者ローンの残高と金利を把握しているか
  • 勤務先の企業年金や上乗せ制度を確認したか
  • 医療費や休職による収入減へどう備えるか決めているか
  • 投資するお金をいつ使う予定なのか
  • 商品の手数料と値動きのリスクを説明できるか
  • 相場が下がっても生活に影響せず保有を続けられるか

答えられない項目があっても、焦る必要はありません。投資商品を探す前に、その項目から一つずつ整えることが、結果的に長期投資を続けやすい家計につながります。

投資を始める順番に関するFAQ

貯金がほとんどなくても投資を始めてよいですか?

まずは小さな緊急資金を優先する考え方があります。番組では最初の目標を12万円とし、その後に生活費の1か月分、3か月分へ増やす流れを紹介しています。現金の備えがあれば、急な出費のために投資資産を売却するリスクを抑えやすくなります。

借金返済と投資はどちらが先ですか?

リボ払いや消費者ローンなど、年率10%を超える高金利の借金は、返済の優先度が高いと考えられます。ただし、勤務先に会社からの大きな上乗せを受けられる制度がある場合は、条件を確認したうえで、上乗せを受け取れる範囲まで利用する選択肢があります。

緊急資金は3か月分と6か月分のどちらがよいですか?

収入の安定性によって変わります。給与が安定している会社員や公務員は3か月分、収入に波があるフリーランスや個人事業主は6か月分以上を検討できます。最初から全額を用意しようとせず、段階的に貯める方法もあります。

NISAとiDeCoはどちらを優先すべきですか?

資金を使う時期と節税の必要性で考えます。NISAは売却して現金化できるため柔軟性を残しやすく、iDeCoは所得控除を受けられる可能性がある一方、原則60歳まで引き出せません。両方を少しずつ使う考え方もあります。

保険と投資は分けたほうがよいですか?

保障と資産形成を分けると、費用や目的を把握しやすくなる場合があります。自分で負担できない大きな損失は保険で備え、緊急資金や将来の資産は現金や低コストの分散投資で準備する方法が考えられます。

まとめ|投資は商品選びより土台づくりが先

投資を始める順番で覚えておきたいのは、資産を増やす前に、家計からお金が流れ出る原因と、資産を崩すリスクを確認することです。

まず小さな緊急資金をつくり、高金利の借金を返す。勤務先の福利厚生や上乗せ制度を確認し、公的制度や必要な保険で大きな医療リスクへ備える。そのうえで、NISA、iDeCo、企業年金などを目的に応じて使い、低コストの分散投資を続けます。

派手さはありませんが、前の段階が次の段階を支える構造です。緊急資金があれば、突然の支出で投資を売らずに済みます。高金利の借金がなければ、利息による流出を抑えられます。必要な保障があれば、大きな出来事から築いた資産を守りやすくなります。

  • 小さな緊急資金をまず用意する
  • 高金利の借金を優先して返す
  • 会社の上乗せ制度や福利厚生を確認する
  • 医療など大きなリスクに公的制度や保険で備える
  • NISA・iDeCoを目的に応じて使い分ける
  • 低コストの分散投資を続ける

まずは今日、自分の預貯金、借金の残高と金利、勤務先の制度を確認してみてください。すべてを一度に変える必要はありません。地味な準備を一つずつ続けることが、自分らしい資産形成への第一歩になります。

家計の土台を整えたい方は、「ファイナンスおばさん・ななみ」 のポッドキャストもぜひお聴きください。

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ご注意

本記事は情報提供・エンターテインメントを目的としたものであり、投資・金融 アドバイスを行うものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任 において行ってください。